重力波

2012/05/16 00:00

 

重力波


 

電荷が振動すると電磁波が発生します。
 

質量が振動すると重力波が発生します。
 

半世紀前の1969年にウェーバーが天体からの重力波を検出
できたと発表しましたがこれは多くの物理学者が否定しました。

 

誰がやっても再現されなかったためです。

 

重力波は電磁波と同じ横波で光速で伝播します。
 

電磁波の場合はプラスの電荷とマイナスの電荷が対になって
相対的に振動すると発生します。

 

しかし直線上にある2つの質量が振動しても重力波は発生
しません。

 

直線上もしくは球対称でない場合、物質分布が振動すると
重力波が発生します。

 

それでは、アインシュタインの一般相対性理論を計算して
重力波発生装置をつくってみましょう。

 

4畳半1間でも子供の勉強部屋でもOKです。

 

長さが2メートルの棒を用意します。
 

棒の両端に1kgの重りを取り付けます。
 

棒の中心を軸として回転させます。

 

これで重力波が発生します。計算が面倒なので棒の質量や
重りの体積を無視して算出すると、毎秒100回の回転速度なら
4.3X10の-35ワットの重力波が発生します。

 

周波数は200ヘルツになっているはずです。

 

10の-35乗といえばほとんどプランク定数の世界です。
 

アインシュタインが正しければ重力波が発生しているはず
ですが検出装置がないのでこれを証明することができません。

 

それでは今度はもっと大きなもので重力波を算出してみます。
 

宇宙に目を向けると、とんでもない大きなものがあります。
 

カニ星雲の中心にあるパルサーとその連星を長い棒の
両端に吊して回転させるのと同じ理屈で計算してみると、
パルサーは超新星爆発の残骸ですから、太陽と同じ
1989じょトン、回転半径を50km、と仮定します。

 

重力波のパワーは、質量の2乗、回転半径の4乗、回転数の
6乗に比例します。カニ星雲パルサーは30ヘルツで回転して
いますので、10の40乗ワットの重力波が得られます。

 

これは天体観測による数値と一致します。
 

パルサーの回転周期は次第に減少していくので減少分が
重力波として放出されています。

 

ミクロとマクロの重力波のパワーの差は10の75乗にもなります。
 

これなら地球上でも十分に検出できそうです。
 

しかしウェーバーの挑戦から43年も経過しているのに進展は
ありません。

 

挑戦している人たちは狂人ではあっても研究熱心なので
よほど効率の悪い手法で挑戦しているのかもしれません。

 

従来からの手法にこだわり続けているからでしょう。

 

重力波の検出には、共鳴タイプ、干渉計タイプ、ドップラー
効果タイプなど多くの手法があります。

 

重力波は時空のひずみを生じさせます。時間のひずみは
速度に起因するものは解明されていてGPSや人工衛星など
高速飛行物体には応用されています。

 

空間のひずみが検出できれば重力波の到来を示す証拠に
なります。

 

43年も前にウェーバーがチャレンジしたのは共鳴型で、
アンテナと呼ばれているアルミニウム合金の円筒形をした
チューブを中央で吊し両端の加速度を検出するものです。

 

アンテナは大きければ大きいほど重力波を検出できる
可能性も大きくなりますが、音響雑音の影響を受けないよう
真空容器内に格納しなければなりません。

 

さらに熱雑音を抑えるために極低温に冷却する必要も
あります。アンテナ自身の固有振動数を低くするために
アンテナも大きなものになります。

 

長さが3m、直径が90cmだと、重さは5トンにもなります。
 

固有振動数はかなり高くて840ヘルツにもなります。
 

もっと大きくすれば吊す針金も太くなりエネルギー損失も
大きくなります。効率の悪い方法といえるでしょう。

 

4畳半1間で2mの棒を使って重力波を発生させたように
ならばこの発信器を検出器にしてしまえという手段もあります。

 

2個の重量物を1本の棒でつなぎ電車の車輪のようにします。

 

かなり大きな車輪を使用しますからそれなりの施設が必要に
なってきます。この場合は棒がアンテナの役割をしますので
棒のねじれ振動を利用するねじれ型アンテナになり、
500ヘルツより低い低周波帯域の重力波検出になります。

 

しかしながらいくら大きなアンテナをつくってもこれらから
重力波を検出する検出器がお粗末では意味がありません。

 

アンテナの振動変位を検出するにはできるだけ高感度の
キャパシタンスセンサーを使用します。

 

このように非常にシンプルでわかりやすい共鳴方法ですが
大きなアンテナが重力波を受けなくても振動していれば、
それが雑音になりますし、雑音の振幅が重力波よりも大きい
ものであれば重力波は検出が不可能になります。

 

何トンもの重さのある大きなアルミニウム合金のアンテナも
ミクロに見れば無数のアルミニウム原子がピコメートルの
単位の振幅でランダムに熱運動をしています。

 

これをすべての原子について平均したものがアンテナの
熱振動=ブラウン運動としてあらわれます。

 

原子の振動スペクトルは広範囲にわたっていますが、
アンテナの固有振動数付近の成分によってアンテナが
励起されますのでブラウン運動のスペクトルは固有振動数に
ピークをもった形になります。

 

ただしアンテナにはいろいろな振動モードがあるので、
内部摩擦が少なくて、ブラウン運動のスペクトルも狭い
5056という合金が選ばれ、これを液体ヘリウムで冷却して
重力波検出に使用されます。

 


共鳴法による重力波検出は比較的コンパクトで場所の
制約を受けにくいので本命視されています。

 

干渉計法は遠く離れた2点間に、重力波が入射したときの
わずかな変化を光波干渉計によって検出しようとするもので
光源の波長の安定度が要求され、重力波の信号が、
検出器の波長変動による雑音成分の中に埋もれてしまえば
検出が不可能になります。

 

2点間の干渉距離を長くすればするほど感度は上がりますが
光路のゆらぎを抑え、気体分子の不規則な干渉計の鏡への
衝突によるブラウン運動を抑えるため、干渉計部分は真空に
する必要があります。さらに地面の震動の影響を除くために
防震対策も必要になってきます。

 

2点間の距離といってもハンパではありません。
 

重力波検出のためには最低でも4kmは必要になります。

 


ドップラー効果法は銀河系中心にある巨大ブラックホールを
ターゲットにします。太陽質量の十億倍クラスの大物中の
大物なので重力波もかなり派手に放出しているでしょう。

 

射手座の方向には銀河中心部分があるので常時重力波は
押し寄せてきていると思われます。

 

太陽質量の数十倍以上の恒星が超新星爆発をしたときも
重力崩壊によって超低周波の重力波が放出されますから
宇宙は重力波で満たされているかもしれません。

 

ならばこの方法がもっとも手っ取り早いでしょう。
 

そこで宇宙空間にスペースクラフトを打ち上げて、それを
電磁波で追尾し、その際に観測されるドップラー効果を
解析すれば重力波が検出されるかもしれません。

 

これはアメリカがすでにおこなっていますが検出には
至っておりません。

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フーリエ変換

2012/05/15 00:00

 

フーリエ変換


 

測定器や音響機器は入力信号に反応して機能を発揮します。
 

音楽などの信号はリズムをともないますから時間の経過と
ともに変化します。したがって信号は時間の関数 f(t) として
表現することができます。

 

理解を早めるため、信号は一定の周期Tで繰り返されるものと
します。このとき任意の時間の関数 f(t) は周期が、T、T/2、
T/3、T/4、・・・・・・・T/n の三角関数の和としてあらわすことが
できます。これを f(t) のフーリエ級数展開といいます。

 

つまり、周期Tで繰り返される関数は、周波数が1/Tの整数倍の
周波数をもつ成分に分解されることになります。

 

周波数成分の振幅は周波数によって異なります。
 

通常は、周波数が高くなるほど振幅は小さくなります。
 

これは信号の時間的な変化が急激であるよりも、緩やかな
場合が多いことを反映しています。

 

このような周波数成分の振幅、あるいは強度(=振幅の2乗)の
分布を、周波数を横軸にとってあらわすとき、これをスペクトルと
呼びます。

 

周期Tを限りなく長くしていくと、連続的なスペクトルF(2πf)が
得られます。これを f(t) のフーリエ変換と呼んでいます。

 


 

 

ベートーベンのピアノソナタ「ワルトシュタイン」作品53第1楽章。
 

数あるクラシックの中で、これほど見事なフーリエ変換は多分
他にはないでしょう。

 

フーリエ変換は、名作曲家の性格までもを想像させます。
 

ベートーベンの作風は、きわめて構築的、音を積み重ね、
試行錯誤を繰り返しながら、大きなうねりのなかで名曲を
つくりあげていく光景が想像できます。

 

1/f ゆらぎが、周期の長い低周波域まで続いています。
 

実に美しいフーリエ変換です。


 

 

 

モーツアルトのピアノソナタ「K・333」第1楽章は、流れるような
音の連続が特徴で、どの部分をとってみても、それぞれの部分で
完結しています。彼の作風に共通してみられる現象です。

 

低周波帯域に見られるランダムさが目立ちます。
 

モーツアルトの音楽は聞き流しに向いています。
 

BGM的な要素が強い傾向にあります。

 


 

 

 

そして、道路工事現場の音のフーリエ変換。
 

ほとんどすべての周波数帯域で白色雑音が見られます。
 

白色雑音とはパワースペクトルが横軸に対して平行になっていて
すべての成分波が同じくらいの大きさで含まれていることです。

 

素人の初心者が演奏する音楽が聞くに耐えないのは
白色雑音が多すぎるからです。脳にとっては良くありません。

 

携帯電話の呼び出し音やおもちゃのピアノやオルガンなどの
電子音、エレキギター、ディスコの音楽、最近の若い女や
若い男の歌手が歌って踊りまくるような音楽は、音楽というより
フーリエ変換では道路工事音と同じグラフになります。

 

なぜか、パチンコ屋の店内騒音と一致します。

 

 

 

少し変わったところでは、美術館へ行くと巨匠の絵画の前で
じっとたたずんでいる人を見かけます。

 

これもフーリエ変換で説明がつきます。

 

絵の具の配色や、色の濃淡は、音楽の周波数や振幅と
共通するものがあり、感性豊かな人は「1/f」ゆらぎ
感じ取り、脳中枢のコントロール系と共鳴して、アルファー波と
呼ばれている脳波が誘起されているのです。

 

絵画は音楽と違って持続時間が永遠ですから放っておけば
永遠に立ち続けているかもしれません。

 

私たちの目や耳など5感は手段であって、すべての情報は
脳へ送られ、脳が判断を下します。

 

低周波騒音のような5感で感じ取れない音であっても脳は
イヤな振動やな、と感じているらしく拒絶反応を示します。

 

 

 

数百年も昔の人たちは、フーリエ変換という手法を知りません
でしたから、感性という本能的な方法で音楽を愛してきました。

 

ドイツの天文学者ケプラーは星たちの運動を音階ととらえ、
同じくドイツの哲学者カントは宇宙の調和を音楽にたとえ
天空の調和を讃えています。

 

長い歴史の中を生き抜いてきた古典的な名曲、クラシックは
フーリエ変換によって、その本質を見つけ出すことができます。

 

名曲と呼ばれてきたものはフーリエ変換することによって
美しいグラフになり納得できるものがあります。

 

音楽だけではありません。絵画や彫刻などの美術作品にも
音の素材である、振動数、振幅、に相当する何者かが潜んで
いて、感性豊かな人はそれを脳で感じ取ることができるのです。

 


自分自身の好きな曲はフーリエ変換してグラフ表示すると
共通の波形をしていることが読み取れます。

 

パーシーフェイス管弦楽団やサイモンとガーファンクル、
サンバにルンバ、ジャズにロック、美空ひばりのなかにも
自分好みのフーリエ変換グラフに一致する曲がありました。

 

これにはオシロスコープというものが必要で波形を記録する
必要があります。上下に変動する地震波のようになります。

 


 

私たち人間にとって、美や心地よさという感情をもたらすものは
私たち自身が宇宙によってつくられたものなのですから
大自然である、海や山、星空に求めることができます。

 

美とか快適さという問題は、あまりに個人的、主観的な色合いが
強かったために、科学の対象にはなりにくい存在でした。

 

1/f ゆらぎは人間にとっての、真、善、美を明らかにしてくれます。
 

フーリエ変換は、そのためのひとつの手段として有効です。

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ノイズ

2012/05/14 00:00

 

雑音(noise)


 

テレビやラジオ放送で雑音を見たり聞いたりするのが
趣味という人にはめったにお目にかかりません。

 

しかしそれに近い人たちは世界中で何百万人もいます。

 

DXのアマチュア無線やBCLを趣味にしている人は、
雑音好きに見えますが、これは多くの雑音の中から
目的の局を探し出している、やる気十分の姿です。
 
雑音あっての人生、雑音のない人生は考えられない。

 

雑音が人生のすべてというマニアックな姿です。
 

昔はNHK第一放送も零時で終了していたので中波の
DXチャンスはそれから開始されたのですが無情にも
朝まで放送するようになりチャンスは激減しています。


 

 

オーディオファンには雑音にうるさい人が多くいます。
 

物理的な雑音を完全に除去するのは至難の業で
今日では雑音ゼロは理論的にも不可能とされています。

 

テレビやラジオはもちろん、DVD、CD、ラジカセ、LP、
などすべてのオーディオ機器においては物理的には
ノイズレベルはまったく変わりません。録音した音楽や
放送電波はノイズよりはるかに大きな信号になるため
ノイズが無視できるからです。

 

オーディオ機器も音楽が流れていない未記録の部分では
シャーッという雑音が聞こえます。LPなどのレコードでも
スクラッチノイズが聞こえてきます。

 

 

 

 

精密な測定器の場合はこのノイズが相当深刻になります。
 

電流を流すと回路内部の素子の特性が変わりモロに
出力データに影響を与えます。大気の気象変化によっても
数値が変化します。

 

計測器のシステム内部から雑音が発生するのは今までは
やむを得ないとされてきました。しかし今日ではこの雑音を
ほとんどゼロにすることができるようになったため計測器の
信頼性は飛躍的に向上しました。

 

技術者はこれをごまかしテクノロジーと呼んでいます。
 

だましのテクニックは意外と簡単で、回路の構成素子が
温度の影響を受けることが避けられない場合は差動法と
いって同一素子を2つ組み合わせて温度変動の影響を
打ち消しあうようにする温度補償があります。

 

気圧変動に対しては気圧補償、湿度、振動も同様です。
 

ドリフトが大きい場合は測定量の変化か雑音かかを
見分けることが困難になるので、入力である測定量の
変化に対しては強め合うようにする方法もあります。

 

ベテラン技師はユーザーの使用環境など後輩への
引き継ぎの困難な多くの経験を積んでいますので
こういう人たちの設計した測定器は環境変化の補償対策が
万全で、補償し損なった分、すなわち誤差が少なくなります。

 

ロボットやセンサーなどの性能は補償回路次第でかなり
性能の高いものができあがります。

 

増幅回路の初段に抵抗器があると抵抗器分だけ雑音電圧が
増幅されます。微弱な入力信号ほど雑音といっしょに増幅
されるため出力側では信号か雑音か判別しにくくなります。

 

熱雑音のため検出できる信号の大きさが制限されることに
なれば測定器として失格になるので抵抗器を冷やして
温度を下げるか帯域を狭くする必要があります。

 

熱雑音以外にも回路素子からは雑音が発生します。
 

抵抗器やトランジスタ、光電管などの検出器に電流をすと
その平方根に比例したショット雑音電流が流れます。

 

これらの素子は周波数が低くなるほど高い成分を
もった1/f 雑音が発生します。かの有名な1/f の登場です。

 

現代の測定器はナノやピコを検出しなければなりませんので
増幅回路を何段も組み込まなければなりません。

 

一方でシステム内部に雑音が発生するのを防ぐことも
必要です。

 

素子が発生する雑音をなくすには素子そのものを汎用性の
ない特別仕上げ品にする必要があります。これでは大きさも
価格も特別なものになり高価になって売り物にはなりません。

 

しかし増幅回路においては雑音を出力にあらわれないように
工夫することが可能です。ここではフーリエ変換が登場します。

 

音楽をこよなく愛する人は物理学のブの字も知らないくせに
フーリエ変換を理解し、周波数特性を把握し、1/f 雑音をこなし
パワースペクトルをクリアするまでになっていきます。

 

愛とは無限のパワーなり。不可能を可能にしてしまいます。

 

測定器をこよなく愛する人は物理学を理解していますが、
ブラウン運動を難なくこなし、散逸理論を理解して、ついには
ハイゼンベルグの不確定性関係を突破します。

 

そして、アインシュタインが予言した重力波の測定器まで
つくってしまいました。そこは10の-40乗の世界になります。

 

ナノやピコよりさらに小さいフェムトやアトの世界の住人が
フェムトやアトの研究をしているような状況です。

 

愛とは人を狂わせるものなり。かなり狂った人たちです。

 


信号のスペクトルは帯域制限といってある程度高い周波数
以上の成分は無視できるほど小さくなります。

 

増幅器はアナログデバイスなので信号の速い変化には
応答できなくなります。これは帯域が制限されることを意味
します。ローパスフィルタの特性をもっているともいえます。

 

この特性を利用して計測システムの帯域が信号の帯域より
広くなるように設計すれば雑音を除去できるようになります。

 

フーリエ変換によってこの数値は具体的に算出できます。
 

信号の周期と周波数がわかればフーリエ級数展開により
信号の周期を限りなく長くしていくと連続的なスペクトルが
得られます。

 

これによりスペクトルの周波数依存度である周波数特性を
知ることができます。雑音の周波数特性も同様にして
算出すると、熱雑音やショット雑音はあらゆる周波数成分を
もっていて周波数特性が平坦であることがわかります。

 

ただし周波数が非常に高くなった場合は平坦が崩れます。
 

1/f 雑音は周波数が低くなるほど増大するスペクトル特性を
もっています。

 

S/N比を高くするためにはシステムの帯域を可能な限り
狭くすれば高性能の測定器に一歩近づきます。

 

1/f 雑音は信号と雑音の帯域が重なり合うのでフィルターに
よって雑音の成分だけを除去することができません。

 

1/f 雑音の除去には通信で広く使われている変調と復調の
技術が応用できます。通信の場合は二乗検波方式で
測定信号の極性が失われるので位相変調を使用します。

 

ミクロの世界の測定では、測定妨害をするのは電気回路
のみならず、あらゆる物理現象でエネルギーの散逸から
発生する熱雑音までもが測定妨害に加わります。

 

得体の知れぬ邪魔者が続々と姿をあらわします。邪魔者は消さねばなりません。

 

もっとミクロになると量子力学の世界で粒子の位置と
運動量の同時測定が不可能になってしまいます。不可能を可能にしなければなりません。

 

しかし狂った人たちは、これらをも克服してついに
重力波測定装置までつくってしまいました。

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深宇宙通信

2012/05/13 00:00

 

宇宙通信


 

この技術もナノテクノロジーに属します。
 

いえ、1000億分の1の技術なのでナノというよりはほとんど
ピコテクノロジーの分野にも重なる部分があります。

 

飛行場の近くで、真上をジェット旅客機が通過するときに
チョウが羽ばたいていたとしますと、そのはばたき音を
とらえるのに等しいことになります。

 

1000億倍の感度をもった補聴器を耳に当てるとやっと
チョウのはばたき音が聞こえるようになります。

 

このような技術が可能になったおかげで160億kmもの
遠いところを飛行しているボイジャー探査機との通信が
可能になっています。光速でさえも15時間もかかります。

 

探査機から出た数ワットの電波も15時間の長旅で減衰に
減衰を重ね地球に近づいたときには数ミリワットにまで
弱くなります。この程度なら小さなパラボラアンテナでも
十分に通信できますが地球の大気圏にはいると極端に
減衰して数百億分の1にまで弱くなります。

 

このほとんどゼロに近い微弱電波の中にお宝が満載され
ています。受信するのも大変ですが、惑星探査機に
指令を送るのも並ではありません。

 

ギガワットのハイパワーをビーム状に絞って発射します。
 

もし飛んでいる鳥にあたれば鳥は瞬時に蒸発します。

 


 

 

それでは地球上にある深宇宙通信基地局の1つである
スペインはマドリード近郊のロブネドロチャプラ基地局を
見てみましょう。

 

直径が70mもある巨大なパラボラアンテナはマドリード
からでも見ることができる大きさです。重量は3500トン。
 

重い上にこれを回転させて惑星探査機を追尾しなければ
なりません。

 

1トンもの重量があるボールベアリングが4組でこの巨大
パラボラアンテナを回転させています。1組2億2千万円も
する世界でも2番目に高価なベアリングです。

 

何億キロものはるか彼方を飛行している惑星探査機に
照準を合わせるのは三角測量の手法を用います。
 

そのためマドリードと同じような設備の基地局がキャンベラと
ゴールドストーンにも設置されています。

 

地球が自転していても3つの基地局のうち2つはターゲットに
届くので、2局が協力して三角測量をすれば位置がわかります。

 

たとえば現在、土星の衛星探査をしている探査機カッシーニ
場合ですとメインの基地局はゴールドストーンになっています。
 

 
こちらのパラボラアンテナもマドリードと同じで直径は70mです。
重量は少し軽くて2700トン。回転軸部はしっかりしていて3600トンもあります。

 

広大な宇宙空間における地球とカッシーニの相対的な位置関係は、あらかじめ他局との三角測量によってセッティングされているので惑星探査機の識別番号、カッシーニの場合は認識番号82番を入力すると自動で追尾するようになっています。

 

ゴールドストーン基地局のパワーは4億ワットまで出せますが、
ボイジャーの160億キロとは違って、たったの15億kmしか
離れていないのでそれほどのハイパワーは必要ありません。
 
しかし、カッシーニの無線機は貧弱で、送信パワーは
1ワット未満の安物のトランシーバー程度です。
 

チョウは小さくなってはばたき音はさらに小さくなります。
 

基地局ではカッシーニからの微弱な無線周波数のシグナルを
0と1にデジタル処理する役割も担っています。

 

カッシーニのパラボラアンテナは口径が4mで、地球基地局との
交信のみならず、宇宙のチリや粒子との衝突から本体を守る楯の役割も果たしています。土星の環を通過するときには進行方向にパラボラを向けて後方の観測機器類を守る役割もしています。

 

実際のところ、あの美しい土星のリングも近くから見ると
南氷洋の氷山のような氷の塊が大小無数に漂っていて
100mクラスの大物から小さなかけらまでがいっぱい
あり、ブチブチとアンテナに衝突する音が観測されています。

 

カッシーニには観測機器類を極低温の誤作動から守るため
出力285ワットのプルトニウム原子力発電機を搭載していて
もし土星の衛星のタイタンやエンケラドスの近くで大きな
氷山に衝突してタイタニック号のような状況になった場合は
原子炉が衛星を直撃するかもしれません。

 

タイタンやエンケラドスには生命存在の可能性が指摘されて
いるので、もし衛星に生命体がいた場合は、猛毒の放射能
プルトニウムが生命体を直撃するかもしれません。
 


このような惑星探査衛星と地球の基地局網との通信を
宇宙通信といいます。
 

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ファイアスカウト

2012/05/12 00:00

 

ファイアスカウト


 

アメリカの開発した無人攻撃機ファイアスカウトの能力は
かなりのもので攻撃に特化したものではなく偵察や輸送も
こなすスグレモノです。

 

もはやその性能はベテランパイロット並みになっていて、
短期間にここまで性能を上げるには相当苦労したでしょう。

 

攻撃力は従来の無人機をしのぐ強力な武器を装備しています。
4連装ロケットランチャー2基を搭載し、8発のレーザー誘導型
ロケット弾の破壊力は大きな威力を発揮します。

 

初期の無人攻撃機はそれはもうブサイクな形状でタコが
翼を付けて飛んでいるような頭でっかちなものでした。

 

RQ-1プレデター
 

RQ-4グローバルホーク
 

これらは今イスラエル空軍が熱心に飛行訓練をしています。

 

無人機といえども1機30億円以上もする高価なものです。
 

 

同じ頭でっかちタイプにMQ-9リーバー、
 

セスナタイプのRQ-11、
 

ヘリコプタータイプのRQ-16、
 

そして今回のカッコイイ、ヘリコプタータイプMQ-8である
ファイアスカウトの登場です。

 

最近の戦争はゲリラが相手なので困難を極める状況です。
 

昔はどこの国の戦争も敵と味方の識別は容易でした。
 

日本でも川中島の戦いや関ヶ原の戦いにおいては
敵と味方の服装や旗など目印になるものがハッキリしていて
区別が容易につきましたが今は違います。

 

こちらは軍服を着て目立つ姿をしているのに、相手は
民間人の服装をして民間人の中に紛れ込んでいます。

 

そのような敵と戦わなければなりません。
 

圧倒的なハンディを背負っているわけです。

 

 

 

日中戦争の時は中国軍の兵士が軍服を脱ぎ捨てて、
民間人の中に紛れ込んだため日本軍は大変な苦労を
しています。敵兵と民間人の区別ができなくなります。

 

アメリカは人権をモットーに掲げている国ですから、
民間人に危害を加えずにゲリラだけを攻撃するため、
この半世紀にわたって苦労に苦労を重ねてきました。

 

にもかかわらず相変わらずに誤爆が続いています。

 

最近はゲリラといえどもポータブルのロケット砲をもって
いますのでいつどこからロケット弾が飛んでくるかわかり
ません。旧ソ連がアフガニスタンに侵攻したときには
最初は圧倒的に有利でしたがこの携帯用ミサイルが
登場したとたんに攻撃ヘリが100機単位で撃墜され
一気に形勢が逆転して多くのパイロットが亡くなりました。

 

最新ハイテク機器の搭載は軍事優先でおこなわれました。
 

マルチHDカメラは人間の視力を上回り、どのような場所に
でも離着陸できて、長時間の偵察飛行で地上のわずかな
変化も見逃さず、6100mもの上空から一発必中で
ゲリラを倒します。

 

ラジコンをプロポで動かすのとはわけがちがいます。
 

今日では必要に応じて軍事衛星がプロポの役割もします。
 

峡谷も山岳地帯も自由自在、ファイア・スカウトはあらゆる
ミッションを遂行できるマシンです。

 

パイロットは地上にいて高画質画面を見てボタンを押すだけ。

しかし価格を見てため息が出ます。例えばジェット戦闘機なら
今、日本政府がアメリカから買おうとしているF35戦闘機は
1機200億円。40機発注していますから8000億円。

 

飛行中に翼がはずれるなどトラブッていて遅れるようですが。

 

F2戦闘機ならフルオプションで1機120億円。
 

もちろん搭載するミサイルは別途販売です。
 

ファイア・スカウトは非売品になっています。

 

 

 

今は大規模な戦争が起きにくい国際情勢になっているので
感謝すべきでしょう。

 

しかしこれとて、やがて、水や食料、エネルギーが枯渇して
くれば、奪い合いになり大きな戦争になるかもしれません。

 

大規模戦争の代償として地域紛争が続いています。
 

そうでなくても地球上には貧しい人たちの方が多くなって
います。4人に1人は電気のない生活を送っていますし、
3人に1人は病気になっても満足な治療が受けられません。

 

もっと深刻なのは20分に1人が地雷で命をなくしたり、
足を吹き飛ばされるなどの重傷を負っていることです。

 

世界中には億を越える地雷が埋まったままになっています。

 

1/3はエジプトの砂漠に埋められていますが、これは
度重なる中東戦争の影響です。

 

深刻なのはカンボジアで民家の近くに埋められているため
民間人の犠牲が絶えません。

 

地雷も人間が地面に穴を掘って埋めるようなことはしません。
 

航空機からの散布法式ですとちょっとがんばれば1日で
数万個の地雷が埋まった地雷原ができあがります。

 

砂漠なら砂嵐ですぐに埋まってしまいます。

 

これに対して地雷除去は重装備をして金属探知器で
やれればまだいい方で、プラスチック製はカンと経験に
頼らざるを得ません。

 

数百人が丸1日努力しても世界中でたったの300個。
1000年以上かかる計算です。

 

これでは完全に除去するまでに何人の犠牲者が出るか
わかりません。

 

対人地雷なら1個400円です。
 

たったの400円で殺されるのかと思うと納得しがたい気が
します。同じ死ぬなら数千万円のトマホークなら少しは
納得ができます。


 

 

しかし世の中には頭の切れる人がたくさんいます。
 

多くの地雷除去マシンが開発されました。


 

 

(アードバーク)
一見したところ田んぼを耕す耕耘機の巨大版という感じです。

 

有人マシンなので操縦席は厚い装甲板に守られていて
長いアームの先に取り付けられた多数のチェ-ンが
毎分300回転で地面を90センチも掘り返し4トンの圧力を
与えます。

 

さすがにボスニア製の5kg対戦車地雷は大型戦車を
破壊する威力があるので衝撃を感じますが、
対人地雷なら爆発したことすらわかりません。

 

この対戦車地雷の真上に頑丈な4WDを置いての
爆発実験を見ていると4WDの金属は引き裂かれ
フレームはバラバラになります。中のダミーも
手足と首がバラバラです。

 

かなり荒っぽい地雷除去マシンですが効果はてきめんで
たったの1時間で2000平米の地雷原を食い尽くし
多くの地雷を一網打尽にしてくれます。

 

世界中には20万平方キロもの地雷原があるので
これが百台もあれば数年で一掃できることになります。

 

アードバークはスコットランドで開発されました。

 

 

 

 

(バルカン)
これはイギリスの科学者が開発したものです。

 

アードバークとは対照的にスマートに地雷処理をします。
 

つまり爆発物の爆薬を爆発させず燃やすという方法です。

 

対人地雷、対戦車地雷だけでなく、900kgまでの不発弾も
処理できるスグレものです。

 

爆発しないので爆風や金属片の散乱の心配がありません。
 

バルカンもプラスチック容器に詰め込んで使用しますから
金属片ほどの危険性はありません。

 

しかしバルカンを不発弾などの本体内部に食い込ませるので
至近距離では使用できません。導火線で点火し発射します。

 

マグネシウムメタルジェットが爆発物の中の爆薬を燃焼させ
爆発の危険性を解除します。

 

実にスマートで今風の手法です。がしかし時間がかかりすぎます。やはりアードバークに軍配が上がります。

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疎密波

2012/05/11 00:00

 

山彦(やまびこ)


 

残響、反響、こだま、などともいいます。
 

英語なら(reverberation)です。
 

一般には、エコー(echo)がよく使用されますが物理学では
数ある波(wave)の中の縦波の一種にすぎません。

 

山へ行くと「ヤッホー」という人がいます。
 

そしてこだまが帰ってくるとそれで納得するようです。

 

しかしそれだけでは納得しない人もいます。
 

そのような人たちは苦労に苦労を重ねついに音波を眼で
見えるようにまでにしてしまいました。

 

クジラの研究からクジラは低周波を使って100kmもの
長距離であっても仲間同士と会話していることがわかり
ました。

 

ここで軍が乗り出してきます。軍がその気になれば開発は
飛躍的に早くなります。とりわけ各国海軍は潜水艦との
通信に苦労していたので早々に通信手段を開発しさらに
超音波の研究から攻撃目標の位置測定に有効であると
判断します。海底の地形も詳細にわかるようになりました。

 

ソナー(SONAR=SoundNavigationRanging)がそれで
敵の潜水艦を攻撃する際にはきわめて有効な手段です。

 

しかし最新鋭のソナーをもってしても動物の音波能力の
足元にも及びません。

 

魚群探知機などは超安物のソナーといえるでしょう。


 

 

グリーンエネルギーが地球にやさしいということで、
世界中にやたらと大型の風力発電機が設置されました。

 

地球にはやさしくても、動物たちにとっては迷惑な話です。
 

大型の風力発電機は猛烈は低周波を四方八方に捲き
散らします。この強烈な低周波は到達距離が数十キロも
あり、はるか彼方の大型風力発電機の低周波は人間にも
安眠妨害や頭痛、吐き気をもたらします。

 

人間も低周波を耳ではなくて脳で感じ取っていたのです。

 

ゾウもクジラに負けんじとばかり低周波を使って仲間と
会話をしています。大きな動物だけに低周波パワーも
大きくて10kmも離れた仲間と会話しています。

 

機嫌良く会話しているところへ大型風力発電機の妨害
騒音が混信してきたらゾウたちは相当怒り出すに
ちがいありません。クジラもかなり機嫌が悪くなります。

 


 

そもそも地球上においては人間の耳は他の動物たちより
はるかに劣っているのにそれを知っている人は少数です。

 

人間は最高にすぐれた聴覚を持っている人でも、20Hz~
20kHzで、日常生活では30Hz~16KHzで十分です。

 

この周波数帯域から離れた音波に対しては人間は
長い間、ワレ関せず、であったわけです。

 

さらに人間の声はいくら大声を張り上げてわめいても
ほんの10m離れた人同士でも大変疲れる会話になります。

 

多分まともに聴き取れないハチャメチャの会話になるでしょう。

 

ゾウは10km離れた仲間と20Hz以下の低周波で会話しますし
クジラは海水中なのに100kmも離れた仲間とヒソヒソ話を
する能力を持っています。クジラもゾウと同じ低周波です。

 

とても人間のかなう相手ではありません。

 

 

クジラやゾウと同居している人はいないのでどうでもいいわけ
ですがイヌやネコになってくると周波数帯域の共通する部分が
ありますのである程度の意思疎通ができるようになります。

ゾウの大きな耳、ネズミ捕り名人のネコなどは音波と密接な関係があります。

 

 

音といってもいろいろな種類があってすべての変調域で
動物たちの会話を盗聴するのは大変な仕事になります。

 

AM(振幅変調)、FM(周波数変調)、デジタル波などは
人間社会の通信分野で電磁波として利用されてきました。

 

物理学では空気も水も弾性体としてとらえます。
 

そして弾性体の一部に圧力変化があると密度変化が生じ
これが弾性体内を伝わる波となります。

 

地殻がカチンカチンの固いものだと思っているとたいへんな
まちがいで立派な弾性体です。地震はこの地殻を縦波として
伝わった場合はプライマリー(P)波として伝播されます。

 

関東平野の地下数千メートル一帯に広く分布している
関東ローム層などは巨大なコンニャクのようなもので
大きな地殻変動があれば恐ろしい存在になります。

 

地震といっても、S波や長周期波、サイレント地震など多くの
種類があって地殻は休むことなく影響を受けています。

 


音とか音波というと抽象的な表現になって先へ進みにくく
なるので、疎密波とか圧縮波(compression wave)という
呼び名で分類しています。

 

これは音波とか地震のP波はよく使用される言葉なので
通常は疎密波が使われています。

 

弾性体内を伝わるとき波形が疎なところと密なところが
交互にできるためにこのように呼ばれることになりました。

 

除夜の鐘や太鼓をたたくと空気中に大きな疎の部分と
密の部分が生じます。疎と疎の間の距離を波長と呼び
1秒間に何回疎と密が繰り返されるかを周波数とか
振動数と呼びます。

 


電波や光は空中や宇宙空間では我がもの顔で飛び交い
大きな顔をしていますが、水中では頼りない存在です。

 

100mも潜れば真っ暗で通信手段としては使い物になりません。

 

音波は水中でも水を媒質として疎密波に変身しますので
周波数を選べば数千キロも伝達します。

 

アメリカの原子力潜水艦は1年間以上潜ったままですが
超音波のおかげで司令部とはリアルタイムで交信して
いますのでいつ第三次世界大戦が起きても数百発の
メガトンクラスの核ミサイルを中国全土に撃ち込むことが
できるようになっています。

 

宇宙空間が電波と光で大混雑しているのと同じで、
海の中は動物たちの疎密波による会話で大混雑していることに
なります。

 


人間=20Hz~20KHz

 

ゾウ<20Hz(到達距離10km)

 

クジラ<20Hz(到達距離100km)

 

イルカ=2KHz~150KHz

 

コウモリ=20KHz~200KHz
コウモリの種類によっては、<5KHzと2段構えの者もいます。

 

昆虫=100Hz~100KHz

 

イルカをはじめとして、イヌ、ネコ、ネズミ、コウモリ、ガ、
クサカゲロウ、ホシササキリ、ゴキブリ、などは身近にたくさん
生息しているので研究が進んでいますが、身近にいない
動物については、どう猛な者や猛毒を持っている者も多く
命をかけてまで研究する分野ではないでしょう。

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キャビテーション

2012/05/10 00:01

 

キャビテーション(cavitation)


 

空洞現象ともいって古くから船乗りや発電所の人々を
困らせてきました。いわゆる気泡ができてスクリューが
空回りする現象です。

 

人類はこれを逆手にとって飛行機やヘリコプターを
飛ばしているわけですが空気を相手にする場合と
水を相手にする場合では事情が異なります。

 

ベルヌーイの定理といってしまえばそれまでになって
しまいますので例をあげて簡単に説明しますと
気体であれ液体であれ流速を大きくするとマイナスの
圧力が発生します。

 

飛行機なら主翼の上にヘリコプターならローターの上に
マイナスの圧力が発生し機体が引っ張られて揚力が
生じます。

 

船のスクリューや水力発電所のタービンの場合は
高速回転させると気泡ができて空回りをしてしまいます。

 

なぜ気泡ができるのかといえばマイナスの圧力が
生じると飽和水蒸気圧が低下して水が沸騰しアワが
ボコボコとできてしまうからです。

 

高い山の山頂でご飯を炊くと空気圧が低いために水の
沸点が低くなり芯の残ったかたいご飯になるのと同じです。

 

スクリューの場合はもっとひどい状態で極端なマイナスの
圧力が生じスクリュー面が40℃程度の温度なのに派手に
沸騰して大きな気泡が生じます。

 

このボコボコ泡のできる現象をキャビテーションといいます。
 

この原因は現在では解明されていてスクリュー面の
ほんのわずかな凹凸がきっかけとなって生じます。

 

 

 

そして問題はここからはじまります。
 

マイナスの圧力下で生じた気泡はものすごい破壊力を
もつことになります。これもたとえていうと山頂でふくらませた
風船をいきなり地上へもってきたようなものでドカンと
破裂します。この破裂時に強力な超音波が発生します。

 

超音波の解明が進むまでは水撃作用として機雷のように
恐れられていました。

 

この水撃作用は今日では超音波衝撃と解明されていますが
船体を浸食し強烈なものになると船体を多孔質にしてしまい
やがては沈没させます。

 

大海原でこのようなことが原因で沈んだ船はかなりの数になり
潜水艦であればどのような結末になるかは容易に想像
できるでしょう。死ぬ以外に残された道はありません。

 

つまり船を早く進ませるというのは大変難しいことなのです。
 

水中翼船ならこの心配はありません。


 

そしてこれらの現象を小さく小さくしたものがメガネ屋さんにある
超音波メガネ洗浄機です。幸いメガネにはネジ止めや
レンズ枠など凹凸部分がたくさんあるので泡は派手に出て
超音波衝撃でゴミは砕かれメガネはキレイサッパリ掃除され
ます。

 

強力な超音波をかますとレンズは割れフレームはバラバラに
破壊されていまいます。

 

 

加湿器も同様で超音波のパワーを手加減していますから
水蒸気が出てきますが、強力な超音波ですとガラスが割れ
柱が曲がりやがて家は崩壊します。


 

私たちがお世話になっているクォーツ時計はこの理屈を
もっともっと小さくしたもので毎秒毎秒32.768キロヘルツの
ミニ超音波を発生させています。

 

人間はよほど耳のいい人でも20キロヘルツまでしか耳に
できませんが、犬や猫など他の動物や昆虫類は、
ジャカマシイ時計やな、と思っていることでしょう。

 

IC回路はこれを1回の信号に置き換えて1秒としています。
 

もちろん破壊力はありません。

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昇給5割!

2012/05/10 00:00

 

昇給5割!


 

さすがは読売新聞!
 

日本最大の発行部数を誇るだけのことはあります。
 

よくぞ見つけてきてくれました。

 

社長「今年の給与は50%アップになる!」
 

従業員「昨年比ですか?」
 

社長「来年比だ!」

 

名越健郎さんの作ですが、今年のギャグにはぴったりです。
 

年収が900万円の人は、来年は600万円になり
 

年収が600万円の人は、来年は400万円になり
 

年金を300万円ももらっている人は、来年は200万円にダウン。
 

日経平均株価9000円は、来年は6000円にダウン。

 

今までなら冗談ですませることができました。
 

 

しかし今日では、かなり現実味を帯びた言葉になっています。

 

製造業は早くから国際化の波をモロにかぶっていています。
 

年収が10万円の国の人と同じ物を作っていれば負けるのは
あたりまえです。

 

 

大きな企業の中には企業年金を大判振るいしている
ところがまだまだたくさんあります。企業経営が苦しいのに、
現役社員ががんばっているのに、過去に貢献したOB連中に
若い現役社員をはるかに上回る企業年金を支払っています。

 

JALの場合がいい例でした。
 

経営破綻をしかけてから企業年金を減額しても手遅れです。
 

パナソニックは賢明でした。
 

企業が元気なうちに英断を下し企業年金を減額しています。
 

このような決断を下す経営陣は信頼ができます。
 

東京電力も独占企業で高収益を誇っていたといえども
今の時代何が起きるかわかりません。

 

すべてがおもてに出てしまいました。

 

若い人がワーキングプアや失業で苦しんでいる今の世の中で
はたらきもしない、それほど豪華な食事や遊びもしない老人が、
高額の年金をもらっているのは、どう考えても不自然です。

 

少なくとも現役でがんばっている社員を上回ることは早急に
改善すべきでしょう。

 

公務員についても同じことがいえますが、公務員の場合は
現役の年収とOBの年金に民間企業ほど大きな差はありません。

 

高収益の企業が、急に大赤字になったり、破綻したり、
恐ろしい時代になっています。

 

今回の来年比50%アップの格言はユーロ危機のイタリアを
皮肉ったものですが、明日は我が身となる可能性が出てきました。

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フェムトテクノロジー

2012/05/09 00:00

 

フェムトテクノロジー(磁気測定方法)


 

 

センサーとか測定器は高価なものと思っていましたが
必ずしもそうではない時代になってきたようです。

 

アキバにも中国製の安物が大量に出回っていて、
精密秤 SF-700 デジタルポケットスケール
斬新的なハンドヘルドデザイン
オートパワーオフ機能
実験室レベルで使用可能なレベル
宝石類も測定できる精密はかり、などとうたっていて、

携帯電話ほどの大きさで安価でデザインも美しかったので
買ってしまいました。青色LEDの美しいイルミネーションで
硬貨の重量も瞬時に表示してくれます。

 

1円玉=1.00g
10円玉=4.51g
100円玉=4.75g

 

確かに用途によっては実験室レベルで使用できそうです。
 

アキバにはネットではいくら探してもめったに見つからない
ものが多くあるので重宝しています。

 

このようなスグレ者が、千円少々で買えるようになるとは
便利な世の中になりました。

 

使い方次第では実験室の数十万円のマイクロ重量計と
同等の性能を発揮します。

 

さっそくバラしてみると予想通りワンチップLSI。
ワンチップLSIなら精度も抜群、品質も均一。

 

原価も百円レベルです。
 

このようなものがたくさん出回ってくると放射能測定の
線量計も千円までで作れるようになります。

 

ペ-ハー計、超音波による距離測定器、同じく容量測定器、
各種のにおいセンサーなどもずいぶんと安価になりました。

 

時計やカレンダーにはじまったワンチップLSIが多くの分野に
進出してくれれば、将来は測定器やセンサーが500円とか
1000円で買える自動販売機が登場するかもしれません。

 


しかし残念ながら磁気測定は高くつきますし手間もかかります。
 

21世紀になってからの技術革新にはすさまじいものがあり
超伝導を利用すると簡単に測定できるようになっています。

 

 

(誘導コイル法)
1831年にイギリスの天才マイケル・ファラデーが発見した
電磁誘導の法則を利用します。

 

1831年8月29日のクソ暑い昼下がり、ファラデーはコイル
電流を流すと磁気が生じるという世紀の大発見をします。

 

などというと、いかにもカッコイイ感じがしますが、実際は
まぐれ当たりもいいところで、1つの軟鉄の輪に互いに
絶縁した2組のコイルを巻き付け,
一方を電池につないで電磁石にし、
他方を検計につないでこのコイルに電流を生じさせる
実験を行っていました。

 

このときファラデーはコイルを電池に接続した瞬間に
計の指針がかすかに振れることを偶然に発見します。

 

ただそれだけです。史上最大のまぐれ当たりです。
 

これが世紀の大発見につながったわけです。
 

野生のオオカミに似た感性の持ち主であるファラデーは
このわずかな振れを見落としませんでした。

 

本人の実験ノートにはこのように書かれているので
これ以上確かなことはありません。

 

今風にいえば、ファラデーは、いつもiPADを肌身離さず
持っていて、実験記録を打ちまくっていたことになります。

 

そこでファラデーは検計につないだコイルに磁石を
近づけたり遠ざけたりする瞬間にだけ検計の指針が
動き、磁石を静止させると電流が止むことを突き止めます。

 

ここがファラデーの偉いところで電磁誘導が発見されました。

 

これを利用して磁気測定をおこないます。
 

発生電圧はコイルの巻き回数やコイルの断面積に比例
しますので感度を高めようとすればどうしても検出器の
寸法が大きくなります。

 

フェライトなど高透磁率の磁性体を鉄心としてこれにコイル
巻けば鉄心の有効透磁率倍だけ感度が向上します。

 

この方法で10ヘルツの信号に対して1ヘルツの平方根あたり
0.3ピコテスラの感度を得ることができます。

 

ファラデー方式はまだまだナノテクノロジーになります。

 

 

 

 

(フラックスゲート磁力計)
そして次は、いよいよピコやらフェムトのテクノロジーです。

 

磁気変調法とも呼ばれている磁力測定方法で、航空機に
搭載して地磁気を観測するのに広く用いられています。

 

惑星探査機に搭載して地球以外の惑星の磁気観測にも
活躍しています。

 

2機のボイジャー探査機は非常にコンパクトにできた
フラックスゲート磁力測定器を搭載した木星探査機で
木星の磁気圏観測に大きな成果をあげました。

 

まともな科学者は複雑な非線形を避けたがります。
 

しかし、自然現象はほとんどすべてが非線形から成り立って
います。これからの科学は非線形が中心になるでしょう。

 

コイルのつくる磁束は空間に広がり、信号線路に鎖交して
交流電圧を誘起します。

 

励磁コイルに電流を流すための発信器から漏れる電流も
出力回路の線路に励磁周波数の電圧を誘起します。

 

鉄心の非線形特性を利用しなければ励磁周波数成分の
電圧を信号とするならば、SN比が低下して検出感度を
上げるのが困難になってしまいます。

 

検出コイルの出力を狭帯域のフィルターを通して、
励磁周波数成分をカットすれば大きなSN比が得られます。

 

この方式の特徴は直流磁界の検出が可能になることです。

 

 

 

 

(超電導テクノロジー)
超電導を利用すれば、フェムトどころかアトの世界です。

 

それは百京分の1という小さな世界になります。
 

SI(国際単位)の接頭語の下限に近づきます。

 

アトを過ぎれば次はゼプト、そして終点のヨクトです。
 

ゼプトワールドには近日中、ヨクトワールドにも技術の
進歩は今世紀末を待たずに達するでしょうから、
SIの接頭語をたくさんつくっておかねばなりません。

 

直近の10年だけを見てもテクノロジーの進展はすさまじく
科学のすべてを把握するのは相当難しくなっています。

 

幸いインターネットもありますし、記憶媒体もテラバイトから
ペタバイトも可能になっていますので百科事典類を丸ごと
入れておけますし、ネットやメディアから情報を蓄積して
おけば1個人でも相当量の情報を収集することが可能です。

 

自分だけが使うデータベースをつくっておくと便利です。
 

「超電導」と「磁気」と入力するだけで、100を超えるデータが
出てきますが、そこから必要なものだけをコピーして1つの
ファイルにまとめておけばこの項目は完了です。

 

超電導量子現象、
マイスナー効果、
ジョセフソン効果、
超電導量子干渉計、
磁気シールド、

 

以上の5項目があればアバウトですが理解が早くなります。


 

 

(磁気シールド)
感度が上がるとターゲット以外の磁気が四方八方から
検知されます。ある磁界だけを消す場合には、コイル
電流を流して、逆向きの磁界を発生させると打ち消しあって
遮蔽効果が得られます。

 

すべての磁界をシャットアウトする場合はアルミニウム板か
軟磁性体のミューメタルなどニッケル合金板を使用します。

 

それでも効果がなければシールド材を重ね合わせるよりも
空気層を介して多層構造にしたほうが効果が上がります。

 

ここまでしてもバックグランドの磁気がなくならない場合は
フラックスゲート磁力計で変動分を検出し、その出力を
逆利用してフィードバック電流を流して打ち消します。

 

生体から出る磁気はピコの下のファムトのオーダーなので
ここまでやる必要があります。

 


 

 

(超電導量子現象)
金属は通常の状態では電流を流そうと思えばその方向に
電界を加える必要があります。これは金属中の電子が
結晶点にあるイオンとか不純物によって散乱されるため
です。

 

極低温においては格子点にあるイオンの運動エネルギーが
小さくなるので1個の電子がイオンと衝突して放出された
エネルギーを別の電子が吸収して互いに引力を及ぼすように
なります。2つの電子のスピンが逆向きになっている方が
エネルギーが小さく、このとき電子対のスピンはゼロになり
ますので1つの電子状態を無数の対が占有できるように
なります。

 

量子論では粒子のエネルギーはプランク定数と周波数の積の
整数倍の値しかとれませんがエネルギーの値を取る粒子が
多数あるとそれらが同じ周波数を持つと考えられます。

 

したがって1点での電子対の波の位相を決めるとすべての
点での位相が決まってしまいます。電子波の位相が巨視的な
距離にわたって確定し勾配がゼロでないときには外部から
電界を加えなくても電流が流れ超電導状態になります。

 


 

 

(マイスナー効果)
円柱状の金属に軸方向に磁界を加えると金属内部の
電導電子は磁界の力を受けて軌道が変わり内部で電流が
流れます。この電流は外部磁界を打ち消す向きの磁界を
つくるので反磁性電流と呼ばれています。

 

常電導状態では反磁性電流がつくる磁界の大きさは
外部磁界に比べて十分に低いのが通常です。

 

超電導状態になると外部磁界がある臨海値を超えない限り
超電導体表面のごく薄い層に永久電流が流れて外部磁界を
完全にシールドしてしまい金属内部の磁束がゼロになります。

 

このように反磁性電流がつくる磁界が外部磁界と等しくなり
完全反磁性になることをマイスナー効果と呼んでいます。

 

ボーアの量子化条件に対応させると永久電流のつくる磁束は
磁束量子の整数倍になり磁束量子化を示します。

 


 

 

(ジョセフソン効果)
2つの超電導体を点接触させるかもしくは薄い絶縁膜を介して
接触させて接合部をつくります。

 

絶縁膜の厚さは電子対がトンネル効果によって通り抜けられる
程度に薄くします。と同時に2つの超電導体が異なる位相を
持つことができる程度の厚いものにします。1ナノメーター程度の
厚さになります。そしてこれに外部抵抗を通して電流を流します。

 

超電導状態になると電流がある値を超えない限り導体の抵抗も
接合部の抵抗もゼロになります。これがジョセフソン効果です。

 


 

 

(超電導量子干渉計)
ジョセフソン効果を利用した磁束計でジョセフソン接合の
干渉効果を利用するので超電導量子干渉計といいます。

 

ジョセフソン接合を1つもしくは2つ持つ超電導体のリングとして
構成されています。

 

その回路図はスーパーへテロダインのラジオ受信機を想像
させるほど増幅回路がビッシリと詰め込まれたものです。

 

増幅に継ぐ増幅で生体の微弱磁気がアップされ、
フェムトワールドが測定されるようになります。

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ピコテクノロジー

2012/05/08 00:00

 

ピコテクノロジー


 

ナノテクノロジー全盛の時代ですがナノは10億分の1の
世界です。

 

さらにその下にはピコテクノロジーの世界があります。
1兆分の1の世界になります。


 

(磁気汚染)
缶詰の食品を摂取したあとの消化管からは100ピコテスラ
の磁界が検出されます。

 

溶接工の肺からは、その10倍の1ナノテスラの磁界が
検出されています。

 

アスベスト坑夫の肺からもかなりの磁界が検出されます。

 

これらは人体が置かれた生活環境から磁性微粉体を
消化器官や肺に取り込んで蓄積されている外来性の
磁性体で磁気汚染と呼ばれています。

 


 

 

(細胞活動)
心筋や神経など興奮性細胞から発生している磁界には、
心臓からの磁気(=心磁気)は50ピコテスラ、
心筋の興奮による前胸部の磁界は100ピコテスラ、
脳内血管の中を血液がアルファ波のリズムに乗って
変動しつつ流れることによって生じる磁界は1ピコテスラ、
視神経の刺激による脳の活動に起因する磁気は何と
20フェムトテスラになっています。

 

やった、という感じです。フェムトテクノロジーの世界です。
 

上には上があるように、下には下の世界があるのです。

 


 

 

ミクロの世界を整理してみますと、
ナノの世界=10億分の1
ピコの世界=1兆分の1
フェムトの世界=1000兆分の1
アトの世界=100京分の1
さらに下には、ゼプト、ヨクトの世界があります。 

 

そして、ヨクトの下には、素粒子の質量の世界があります。

 

陽子の質量、電子の質量、ひも理論のひもの質量と続きます。
 

しかし、これがミクロの世界の終点ではありません。

 

同様に、マクロの世界には、ギガ、テラ、ペタ、エクサ、
ゼタ、ヨタ、と大きくなり、アボガドロ数の世界に突入します。

 

これより上は大宇宙の世界で、ヨタのはるか上には、
銀河中心にある超巨大ブラックホールの質量の世界が
展開されます。

 

もちろん上の世界にも終点はありません。

 

さらに上の、天国より上の世界には、宇宙に存在する核子の
数とか、超巨大ブラックホールの蒸発時間とかがあるよう
ですが、こうなってくるともはや数学の世界で、まだよくは
解明されておりません。

 


そこで現実の世界に戻り、このようなとんでもない小さな
世界をどのような方法で見るのか考えてみました。

 

オリンピックのタイムも百分の1秒をあらそう世界になっている
ようで、やがては10万分の1秒になるかもしれません。

 

今の技術ならそれも可能です。

 

人間の目には見えない「ゆらぎ」の世界まで、今では観察可能に
なっているので、超を測定する技術について調べてみることに
しました。

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